新銀行東京と、木村剛氏の日本振興銀行の違いとは・・・?

(2008/07/21)

東京都が出資する新銀行東京と、木村剛氏らが設立した日本振興銀行。ちょうど同じタイミングで、中小企業への融資を目的として設立された、このふたつの銀行。似たような理念を持つ二行だが、その後に進んだ道はだいぶ違ったものになってきたようだ。いったい、何がどう違ったのか?

新銀行東京と日本振興銀行のビジネスの比較は、ブログ「漂流する身体。」さんの記事に詳しい。

ふたつの銀行を比較してみると・・・

同記事によると、新銀行東京が金貸しビジネスで稼いでいる利回りは、「2.57%と普通の銀行よりと同じか低い位」とのこと。すでに周知の事実だが、この銀行は、普通の銀行であれば融資したがらない中小企業に対して、資金を貸し付けることを目的としてスタートしている。つまり、一般的な信用リスクという観点からすると、やや高い利子を設定しないと割に合わない(貸した資金を回収できないリスクが生じる)企業に対して、世間一般と同じ利率で金を貸していることになるわけで、そもそも、このやり方を商売として成り立たせるほうが難しい。
ビジネスモデル自体がハナから収益を上げるためのものではなかったのだから、この銀行の資金繰りが悪化することは火を見るより明らかだったわけだ。

一方で、日本振興銀行のほうは、中小企業の救済を同じく理念としてはいるものの、貸し付ける際の利息は、しっかりとリスクに応じた利率で設定しているようだ。つまり、「あなたの会社は財務的にややリスクが高いから、そのぶん、利息に上乗せさせてもらいますよ」というわけだ。事実、同行は、「業務純益で黒転を果たし、経常でも来期位には黒字になりそうな所まで業績が改善してきている」という。
「中小企業を救済しよう!」という建前だけではなく、良くも悪くも、貸金業で収益を上げるためのビジネスモデルをきっちりと作り上げたうえで、経営されている銀行といえるだろう。

もうひとつ、興味深いブログ記事がある。2005年4月、木村剛氏は、自身のブログで、新銀行東京にエールを送っている。木村氏は、自身が先発して引き合いに出した日本振興銀行のビジネスモデルを引き合いに出し、いわゆる中小企業を対象とするミドルリスクマーケットが日本にも確実に存在すると強調している。また、ミドルリスクマーケットは「多くの銀行が参入してこそ、芳醇で大きな市場へと成長し得る。小さなパイを奪い合うことに血眼になる前に、パイ自体を大きくすべきだ」とも述べられている。この考え方も、銀行経営者の視点としては、ごく自然なものではないかと。

これは素人としての考えなので、もしかしたら間違っているかもしれないけど・・・木村氏は、新銀行東京も、自らの銀行と同じく、割合的に高い利率での貸し金ビジネスを始めるものと考えていたのではないだろうか?「ミドルリスク」の貸し手が商売相手である以上、そうでもしないと、自らの銀行経営が成り立たなくなってしまうのだから。
まさか、新銀行東京が、銀行業の収益化をまったく度外視した、バーゲンセール並みの低金利での貸付に走るなどとは、この時点では、想像できなかったのではないだろうか・・・?

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