自社株をサラリーマンが保有するリスクについて

(2008/09/21)

リーマン・ブラザーズの破たんにより、同社の従業員が保有していた持ち株が紙屑となってしまったという記事が出ていた。サラリーマンにとっては、ある意味、他人事ともいえないニュースだろう。従業員が「るいとう」などの持ち株制度を利用して自社株を購入する場合、どのようなリスクがあるのだろうか?

VMaxの投資ブログさんは、サラリーマンが自社株を保有するという行為自体が、常識的なリスク管理を無視した判断であるときっぱり指摘されている。
で、私も、まったく同じ意見だ。

当たり前だけど、常識的に考えて、一般的なサラリーマンは、一度に一社にしか勤務できない(高度な専門職で複数の会社の仕事をかけもちしている人もいるが、そのケースはここでは例外と考える)つまり、サラリーマンは、自分自身の労働力を、好む好まないに関わらず、一定期間の間は、ひとつの企業に「集中投資」せざるを得ないことになる。そして、サラリーマン(従業員)が自らの労働力の投資先を変えたいと思ったら、転職するしかない。もちろん、転職した場合は、転職先の企業に「集中投資」することになる。
これは、株式投資にたとえて言うと、自らの全資産を、ひとつの企業の株式にフル・インベストメントで集中投資しろ、と言われているようなものだろう。分散投資は無理。資本の大きな大企業であれば、こける可能性は低い。だが、株式と同様、「絶対に安全な銘柄」など存在しない。
これは、ある意味で、しかたがない。自分の身体は、ひとつしかないのだから・・・(^ ^;

しかし、ただでさえ自分の身体を集中投資している勤務先企業の自社株まで、資産を投じて保有したとしたら、どうなるだろう・・・?
この場合、その従業員が企業に捧げるのは、自分の「身体」だけではない。コツコツと汗水たらして稼いだ資産まで、勤務先の企業に集中投資することになる。

「集中投資」にさらに「集中投資」を重ねるので、自らの「読み」が意図した方向に動いてくれたときには、大儲けできる。勤務先の業績が良くなる、もしくは株価が跳ね上がれば、自らの「給料」が上がるだけではなく、保有する持ち株の評価額もうなぎのぼりだ。株式市場が上昇しているときに持ち株制度を利用すれば、誰だってウハウハ状態になれる。

だが、ちょっとでも株式投資を通して企業選別の方法を勉強したことがある投資家なら、そのような一点集中投資は、ハイリスク・ハイリターンの非常に難しい判断であることは承知しているはずだ。「オバマの賢人」ウォーレン・バフェット氏ですら、個別企業の銘柄選択は非常に注意を要する作業であり、よほどの経験と知識がない限り、分散したほうがよい、と言っている。なぜかというと、すべての資産をひとつの企業に集中投資した場合、アテが外れた場合の損失が大きすぎて危険だからだ。

そう考えると、自社株買いをしているサラリーマンは、バフェット爺さんでさえ「やめたほうがよい」と警告を発しているような投資活動を、何の疑いもなく行っていることになる。

私がいま勤務している企業は、以前に株式上場を果たし、ストックオプションで億万長者になった人も少なからずいる。その「前例」を見て、後から入社してくる従業員も、喜んで持ち株を買っている人が多いようだ。同じような「奇跡」が再び同社に訪れるかどうか、少なくとも私には分からない・・・(^ ^;

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