グラス・スティーガル法とはどんな法律?

(2007/05/14)

金融や経済のニュースでたまに目にする法律、「グラス・スティーガル法」。英語では「Glass-Steagall Act」。

商業銀行が証券を売ることを禁じた法律、米国の銀行のビジネスに大きな影響を及ぼしたといわれる法律――という程度の意味でなんとなく認識していたけど、正確にはどんな法律なのか? ちょっと調べてみた。

銀行に証券の売買などを禁ずる法律

自分の理解では、グラス・スティーガル法とは、「個人のお金を預金として預かる銀行は、リスクの高い証券業を営んではダメよ」ということを定めている法律。

野村総合研究所の資料米国の金融制度改革法の論議(PDFファイル)によると、『グラス・スティーガル法とは、1933年銀行法のなかで、銀行業と証券業との兼業を禁止した16、20、21,32条の4つの条文を総称したもの』とある。
これらの条文では、商業銀行による株式や社債の引き受け禁止、投資銀行による預金受け入れ禁止、商業銀行と投資銀行との提携禁止などが規定されていた。

つまり、銀行は、商業銀行としての商売と、投資銀行としての商売を、同時にかけもちしちゃダメ、ということ。

この法律が成立した背景には、大恐慌時の痛い反省があるようだ。
1929年の大恐慌の後、証券業務を兼営していた銀行は、経営に大打撃を受けて相次いで破綻した。「ひとつの銀行が、カネを貸して預金を受け付ける身でありながら株も販売していると、どうせロクなことがない」――その反省が込められたわけだ。

この法律の成立は、1933年当時の米国の大銀行のビジネスのあり方にも大きな影響を与えたらしい。
例えばJPモルガンは、同法が成立したのを期に、商業銀行へ変身。一方、ジャック・モルガンの息子のハリー・モルガンは、2人のパートナーおよび約25人の従業員とともにJPモルガンから独立。投資銀行モルガン・スタンレーを設立している。

実は、日本でも、銀行業務については、グラス・スティーガル法を参考にしたルールを規定されていたそうだ。例えば、「野村證券が銀行業務のビジネスを始めて野村銀行になる」可能性というのは、10年前では「ありえない」話だったようだが、これも、この法律の考え方が深く浸透している一例だろう。

なお、金融の自由化が進展した(・・・というより、投資銀行の政治力が強大になりすぎた?)現在の米国においては、1999年に金融近代化法「グラム・リーチ・ブライリー法」が制定されたことにより、グラス・スティーガル法は事実上撤廃された形となっている。
グラム・リーチ・ブライリー法成立の意味と解説は、本山 美彦氏の「株で会社が売買される奇怪な社会」に詳しい。

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