(2011/03/07)
ガスタービンに春到来の予感という日経の記事によると、新型の天然ガスシェールガスの登場でガス価格が下落し、ガスを使用しての発電コストが劇的に改善する可能性があるという。同記事によると、シェールガスは米国で100年分に相当する埋蔵量があると推測されており、天然ガス先物価格を抑制する要因にもなっているとのこと。
別のBloombergの記事BHP:米チェサピークのシェールガス資産取得へによると、鉱山大手BHPビリトン社が、米チェサピーク・エナジーがアーカンソー州に保有するシェールガス資産の権益を、現金47億5000万ドル(約3940億円)で取得することで合意したという。
この新しいタイプの天然ガスに対するエネルギー業界の期待は並みならぬものがあるみたいで、「シェールガス革命」と呼ばれるほどだとか。例えば、前出のWikipediaの解説によると、2020年までに北米の天然ガス生産量のおよそ半分が、シェールガスになる(!?)と予想する研究者もいるらしい。
また、シェールガスの大きな埋蔵量を誇るのは米国だけではなく、カナダや中国、インドなどにも豊富なガスが眠っているとのこと。もし、これらの国々での生産が本格化すれば、天然ガスの先物市場には確かに大きな影響が及ぶのは必至だろう。
ただ、手放し一辺倒でのシェールガス礼賛の風潮には、懐疑的に見る向きもあるようだ。
例えば福間晴耕氏のブログ記事では、米国のシェールガスに関する大々的な報道が、恣意的なタイミングで実施されている形跡があること、また、これらの報道の多くが、ロシアのガス会社ガスプロムをけん制している点に触れ、シェールガスに対する過剰な期待が人為的に演出されている可能性を指摘している。
ブログ『随想 吉祥寺の森から』の記事では、米国のシェールガス採掘地で報告されている飲料水汚染の被害について報道するテレビ番組が紹介されている。シェールガスを採掘するためには、とにかく膨大な量の水が必要なのだそうな。
また、シェールガスから発生する温室効果ガスの量が他の化石燃料よりも多いため、大気汚染への負の影響が懸念されることから、このガスの無節操な採掘に反対する運動家もいるという。
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