郵貯の金利について考えてみませんか?

(2011/06/30)

ゆうちょ銀行のサイトに掲載されている金利一覧だが、2011年6月現在、どの預金商品の適用金利を見ても、個人的にはおしなべてとても低いような気がする。例えば、通常貯金だと0.03%(桁数のタイプミスではない。0.3%ではなく、0.03%だ)。定期預金でも、3年未満のもので0.04%、3年以上でも0.05%といった具合だ。金利が高いか安いか?は人によって感じ方は違うのかもしれないけれども、少なくとも私から見たら、この数字は、実質的に、ほとんどゼロといってよい水準だ・・・?これでは、運用というよりも、資金を倉庫に死蔵させて寝かせておくのに等しいんじゃないか(^^;

これだけ金利が低いということは、ゆうちょ銀行という金融機関の破たんリスクはほとんどゼロであり(この世の理として、金利の高さとリスクは一般的に比例する・・・はず!?)、「郵貯に資金を預けておけば絶対安全」という条件が成立することが前提になるはずだが・・・本当に、郵貯はこの金利の低さに見合う(?)ほどに、リスクが無く、安定しているんだろうか?

郵貯銀行の命運は、日本国債のパフォーマンスと一蓮托生!?

よく知られることだが、郵貯銀行は日本国債の大きな引き受け手として大量の国債を保有しており、国債を運用することで得られる金利収入が銀行自体の収益構造の大きな部分を占めている。郵貯銀行 2011年3月期の個別財務諸表の概要を見ると、国債保有残高はおよそ146兆円。前年比で9兆円ほど減少しているものの、大量の国債を依然として保有している状況に変わりはないと判断してよいだろう。
つまり、郵貯銀行の経営状況は、日本国債のパフォーマンス、日本政府によるファイナンスの成否に大きな影響を受けることになる。

郵貯の金利は「リスク」を正確に反映しているのだろうか?

では、郵貯銀行の現時点での金利がおそろしく低いことを考えると、日本国債はこれからも安泰だ・・・と安心していてもよいのだろうか?

少し過去の記事になるが、経済学者の池尾和人氏が、家計金融資産『活用』論への違和感というコラムを週刊東洋経済に寄稿している。この中で、池尾氏は以下の点を主張されている。

  • (ゆうちょ銀行を含め)日本の大手銀行は、大量の国債を購入している。つまり、日本国内の家計が銀行に預金したカネが、日本政府の財政赤字の穴埋めに利用されていることになる。
  • 人々が今まで通り安心して銀行に資金を貯蓄し続ける限り、日本国債市場は安泰。
  • 問題なのは、将来、高齢者が消費活動に充てる資金を銀行から引き出しはじめる時。預金が減少すると、銀行は資金不足に陥り国債を購入することができなくなる。つまり、国債の買い手がいなくなり、国債は暴落せざるをえない。

池尾氏が危惧する状況が本当に現実に起こりえるのかどうかは、誰にも分からない。あくまでも確率の問題だとは思うが、しかし、高齢者が、生活資金に困って銀行から預金を一斉に引き出し始める可能性は、決してゼロではないだろう(ちなみに、池尾氏は「その日が永久に来ないことはあり得ない」と書いている)
そもそも老人の人口自体が急増しているし、堅牢と思われてきた大企業の企業年金の仕組みも、JALや東電を見ていると、ここのところ、ちょっと怪しくなってきている・・・

このようなリスクに対する警告が多くの経済学者から発せられている中で、スズメの涙と言ってもよいほど低い金利でゆうちょ銀行に預金することは、果たして「安全な投資判断」なのだろうか?

個人的には、これも確率の問題だとは思うが、日本国債の命運に自分のほぼ全財産を「賭ける」ことは、少なくとも、「絶対に安全な投資判断」とは言えないような気がする・・(^ ^;

最悪なのは、仮に国債が暴落したタイミングで、銀行から資金を引き出し損ねた時だろう。低い金利に甘んじていながら、大損失を被った・・・という最悪の事態に直面する可能性もゼロとは言えないんじゃないかと思う。

「金利」に関する当ブログの過去記事

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