投資会社トラシンダを率いるカーク・カーコリアンとは?

(2007/05/18)

ダイムラークライスラーの北米部門クライスラーの買収を最終的に勝ち取ったのは投資ファンドのサーベラスだが、今回の買収劇では、他にも名乗りを上げていた会社が複数ある。そのうちの一社が、投資会社トラシンダ(Tracinda Corporation)だ。同社を運営する著名投資家カーク・カーコリアン(Kirk Kerkorian)氏は、過去にクライスラーの筆頭株主だったこともあるそうで、何やら因縁の深い人物らしい。

カーコリアン氏の経歴を見る限りでは、非常に紆余曲折のあるユニークな人生を歩んできた投資家のようだ。
学校を8学年目で中退したカーコリアンが最初に選んだ道は、なんとアマチュア・ボクサー。その後、航空機の技術研究に興味を抱き、第二次世界大戦時にはイギリス空軍のパイロットとして従軍。終戦後の1947年には、ロサンゼルスからラスベガスまでギャンブラーを飛行機で送迎する商売を始め、その会社を、1968年にトランスアメリカ航空に1億400万ドル(!)で売却したとのこと。初期投資が6万ドルだったというから、かなりの商売上手だったんだ・・・。

カーコリアン氏が資産をさらに飛躍的に増やしたのは、ラスベガスの不動産への投資だった。カーコリアンが安値で購入した土地には次々にホテルが建てられ、賃貸料や売却益でかなり稼いだようだ。さらに1973年には、ハリウッドの大手映画会社MGMを買収し、今ではラスベガスの名所ともなっているカジノ・ホテル「MGMグランド」を建設している(この人が建てたのか~!)

近年のカーコリアンの投資ビジネスでは、自動車産業を対象としたものが特に話題を集めた。

1995年、すでにクライスラーの大量の株を保有していたカーコリアンは、同社会長ロバート・J・イートンに対し、「クライスラー買収したいよ」と打診した。しかしこの提案はイートンに反発されて、結局は和解する形で終結。このときの攻防戦が、「後のクライスラーとダイムラー・ベンツとの合併を誘発した」と言われているそうだ。

また、トラシンダは、GMの発行済み株式数の9.9%にあたる5,600万株を保有していたこともある。しかし、2006年11月、カーコリアンは保有するGM株を1,400万株売却した。GMの業績低迷を見かねた(?)カーコリアンが、ルノー・日産連合との資本提携を強く要請したにも関わらず、GMが拒絶したことが理由ではないかと言われている。
ちなみに、このルノー・日産との提携絡みの騒動のニュースを報じたゲンダイネットは、カーコリアンを「日本ではさほど知られていないが、「ホリエモンと村上ファンドを足して100倍にしたほどの怪物」(国際金融筋)」と、過激な表現で紹介。おいおい、それはどういう比喩だ。「カーコリアンにとっては、自動車産業も、結局はマネーゲームの標的だ」と冷ややかなコメントも書き足している。
このドタバタを経て、最終的にトラシンダ社は保有するGM株を全て売却している。

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