野村不動産HDの株価収益率、純資産倍率が低い理由を調べているが・・・

(2016/09/24)

Yahoo!ファイナンスで野村不動産ホールディングス(株)の情報をチェックしている方はお気づきかと思うが、PER(株価収益率)が10倍を割り、7.64倍となっていた。 結果として、配当利回りも3.5%を超えている。

PBR(純資産倍率)も、1倍を割って0.74倍。
競合他社と比べても低い数値なり。
教科書的な見方で言えば、野村不動産の株式はかなり割安、ということになる。

なぜ、REPここまで低くなっているのか?理由を調べているのだけど、まだ究明できておらず(^ ^;

野村不動産HDの株価チャート
(2007年から今年2016年までの、同社の株価チャート。出典:Yahoo!ファイナンス)

業績指標の推移を不動産業界の競合他社と比較してみた

野村不動産一社の業績のデータだけをじーっと見つめていても分析は難しいので、不動産業界の競合他社と経営状態を比較・分析してみたいと思う。

比較に用いるのは、以下の3社。

  • 東急不動産ホールディングス
  • 三井不動産
  • 住友不動産

まずは、本業の儲けを示す、営業利益の推移から比べてみる。

営業利益の推移

このグラフを見る限り、野村不動産が他社と比べて取り立てて業績が悪かった、というわけでもなさそうだ。
三井、住友には差をつけられているものの、東急不動産よりは本業の儲けは大きい状態。

では、次に。
どれだけ効率的に儲けているか?を見てみるために、売上高に占める営業利益の割合(営業利益率)の推移を見てみたい。
この割合が大きいほど、人件費、オフィス賃料などの固定費コストを上手にコントロールできていることになる。

野村不動産は、4社中、2位。事業として、割の良い稼ぎ方をしてきたと言える。
しかも、営業利益率は2015年度にいちど落ち込んだものの、16年度には再び15%に接近している。
他社と比べて、財務状況が劣っている要素は、まだ見えてこない・・。

次に、自己資本比率を比べてみる。

自己資本比率が高いほど、返さなければならない借入金(負債)の割合が少なく、借金への依存度が薄い。つまり、経営への信用度が(一般論として)高く見られ、経営が安定していると見ることができる。

自己資本比率でも、三井不動産に次いで、第二位。2016年度にはもう少しで30%に到達しそうなくらいで、同業他社と比べると相対的に自己資本比率は高めと言えるのではないかしらん?

次に、自己資本利益率(ROE)を見てみよう。
この指標が高いほど、株主の資本を有効活用して利益を生み出している、つまり、株主のカネを効率的に運用できている、と言える。

自己資本利益率

ROEでは、なんと、4社中、第一位。11%を超えている。
教科書的に言えば、野村不動産HDは、他社と比べて上手に経営されている、ということになる。

・・・と、以上、さまざまな指標を比較してみたわけだけれども。
前年度までの経営指標を見る限り、野村不動産だけが、競合他社と比べて業績が悪化していたり、不調に陥っていることを示すサインは見つけ出せていない。

野村不動産HDの直前の四半期の業績は?

野村不動産HDの2016年度第一四半期の業績はどうだったのだろう?
四半期報告書で決算の状況を見てみたところ、結論としては減益だったようだ。

売上高:784億7,500万円。前年同期比23.0%減
営業利益:883億5,000万円。前年同期比19.2%減
経常利益:680億2,000万円。前年同期比19.4%減

売上高の内訳を見ると、目立つのは住宅分譲(とくにマンション)の売上の減少だ。

昨年度の第一四半期には871戸でしたが、当期は451戸と、ほぼ半減している。
とくに減少幅が大きいのが、首都圏の住宅。前年同期の817戸に対して、当期は298戸にとどまっている。

一方、首都圏の住宅の期末完成在庫数は、132戸から271戸へ倍増している。

また、バランスシート(連結貸借対照表)を見ると、販売用不動産が前年同期比122%、仕掛販売用不動産(まだ建築中の不動産)が前年同期比108%増えている。

つまり、世の中のトレンドとしてマンションの売れ行きに陰りが出てきた(?)にも関わらず、物件の在庫だけが増え続けている、とも解釈できる。

2020年の東京オリンピック開催に向けて、首都圏のマンション価格はまだまだ高騰を続けるのか?
もしくは、そろそろ下落に転じるのか・・・?

メディアでも議論が戦わされているようだけど、いずれにしても、これからの事業環境でどのように利益を上げ続けるのか?は、住宅販売ビジネスとしては大きな課題と言えるだろう。

同業他社の業績と比べると?

同じく2016年度第一四半期の、他社の決算も有価証券報告書で見てみよう。

東急不動産ホールディングス

  • 売上高:1,458億円(前年同期比9.5%減)
  • 営業利益:94億円(前年同期比18.7%減)
  • 経常利益:69億円(前年同期比19.4%減)

三井不動産

  • 売上高:3,564億円(前年同期比0.3%減)
  • 営業利益:475億円(前年同期比8.7%減)
  • 経常利益:451億円(前年同期比9.8%減)

住友不動産

  • 売上高:2,665億円(前年同期比51.3%増)
  • 営業利益:534億円(前年同期比29.4%増)
  • 経常利益:501億円(前年同期比36.1%減)

こんな感じだ。

住友不動産は増収増益だったけれど、東急不動産と三井不動産は、二社とも減収減益。
利益の減少率の振れ幅は野村不動産が二ケタ台で目立つとしても、業績にそこまでの大差は付いていない状況のように思われ(もしくは、同社の業績の悪化率が悪材料として株式市場で売り込まれている?)、、この期の業績だけを見る限り、野村不動産のみが業績がひどく悪化している兆候は見い出せず。 PER・PBRで他社よりもここまで低い数値となっている決定的な理由が、自分にはまだ見抜けていない・・・。

というわけで、引き続き、調査を続けたいと思ふ。

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